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少し前のことですが、当時50歳を迎えたばかりのある友人がこんなことを言いました。
「こんなに長生きするなら、もっと自分をケアしておけばよかった」
それまで飲酒や喫煙、夜ふかしなど、あまり体のことを気にせず生きてきた彼女は、その頃から色々なところで耳にするようになった「人生100年時代」という言葉が忌々しいものであるかのように話をしていました。
わたしはそんな不安を抱えている友人の姿から、わたしの中に生まれた判断、考え、感情をクリーニングしてみました。
そうして見えてきたことは、それまで彼女が体を蔑ろにして生きてきたことではなく、彼女やわたしや社会がそのことを後悔したり、自分がそれまで怠ってきたことがこれからの長い未来を暗いものにするという『考え』を抱えながら生きているということでした。

人間の平均寿命が伸び、リタイアメントの年齢が引き上げられる時代になったことで、自分が選択したことの責任が、より長い人生に影響を及ぼし、それによって、一つ一つの選択に対して、わたしたちは恐れや不安、比較、期待、後悔など、より多くの思考を持つようになります。
今、起きていることを覆い尽くすほどの過去と未来に対する消化しきれない思考は、自分の人生を生きるということに対してあまりにも重たい楔ではないでしょうか?

最近、あるおとぎ話のことを思い出しました。

一人のお腹がすいていた妖精がある夫婦のもとを訪れて、食べ物を恵んで欲しいと頼みました。意地悪な夫婦は見ず知らずの妖精に腐りかけているパンの食べ残しを与えました。
そのお礼にと言って、妖精はその夫婦に今晩の深夜0時になる時に彼らがしていることを生涯死ぬまで絶えず続けることができるように魔法をかけてあげました。
夫婦は驚きながらも、興奮した様子で何をすべきか真剣に考えました。
夫は、家のありったけのお金を集めて、それを数えていようと提案しました。
しかし、妻は食べ物に困らないように家中の食材を調理しようと言って聞きませんでした。
二人とも自分の意見がもっとも素晴らしいものであると主張するがあまり喧嘩が始まってしまいました。
喧嘩に熱中して時間を忘れた二人はとうとう深夜0時を迎えました。
その時、二人は喧嘩をしていました。
残りの人生で、二人は来る日も来る日も喧嘩をし続けていましたとさ…。

おしまい。

人生100年時代を恐れていた友人、そしてそれを見て色々な思考に囚われていたわたしは、まるでこの夫婦と同じことを人生でしているということに気づきました。
毎日毎日、いくつもの深夜0時を迎えながらも、いつも同じことを繰り返しているのです。
未来に対して持つ不安、罪悪感、期待、過去に持っている後悔や許しきれない怒りの数々を思いながら、今しかないこの一瞬を迎え続けています。
しかし、本当はどの瞬間もクリーニングを通して、インスピレーションを受け取ることができるとしたら?
本当の才能を今この瞬間手に入れられるとしたら?
寿命が延びようと、どのような問題が現れようとも、魂の負債を減らしていくという道に戻ることができる、そのことは決して変わらないことなのです。

ハリウッド映画の俳優であっても、どんな職業だとしても、クリーニングの結果、自分の才能が選んだことであればそれで良いのです。
今この瞬間、本当の自分、セルフアイデンティティーを知る、それによって、わたしたちはどんな場所にいようとも、正しい場所にいることができるし、正しいタイミングで、選択をしていくことができます。
ここでいう本当の自分とは何が好きで何が嫌いか、何が得意で何が不得意かということではなく、記憶から自由でありゼロの自分、常に神聖なる存在による情報が流れてくる存在であるということです。
そうすることで、状況がどのようであったとしてもその都度、今あなたにとって正しい選択が現れます。
正解と不正解の答え合わせのような人生ではないのです。
その都度、あなたは自分と神聖なる存在のつながりを確認していく道の中にいるのです。

平和

Momilani Ramstrum, Ph.D. モミラニ・ラムストラム 1983年、オアフ島でモーナ女史が開催したSITHのミニレクチャーに参加し、以来、スタッフとして活動。故モーナ女史から講師へのトレーニングを直接受けた数少ない内の一人でもある。 カリフォルニア州サンディエゴ、メサカレッジの教授兼音楽監督として活動するほか、近年ではクリーニングのインスピレーションから絵画を始め、展覧会が開催されている。 モミラニ・ラムストラムの関連インタビュー記事はこちらからご覧ください。個人セッションの詳細・お申し込みはこちらからご覧ください。

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