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2007年、SITHホ・オポノポノが初めて日本に紹介されて以来、クリーニングを実践されている遠藤亘さんにお話を伺いました。


昔から、空海に関する本を読んだり、神秘や意識に関して興味をもっていました。過去生のことを学んだりもしました。そんな中である「世界一風変わりなセラピスト」というタイトルのサイトに辿り着きました。その中ではSITHホ・オポノポノという問題解決法を説くイハレアカラ・ヒューレン博士のことが紹介されていました。「外には何もない」というフレーズを読んですぐに「これだ」という直感がありました。問題解決のために外をどうにかしようとする必要はなく、全て自己完結なのだということに、何度も頷いている自分がいました。そして、青山で開催されたベーシック1クラスに参加しました。

クラスの中でも繰り返しヒューレン博士がおっしゃっていたことが印象的でした。誰に頼らずとも自分で問題を解決できるということが衝撃的でした。「自分の中で完結する」ということが、理屈でなく本能的に腑に落ちたのです。そこから、与えられたクリーニングツールやマニュアルに書かれている12のステップをただ実践しました。理解しようと努力したり、分析したりせず、とにかく与えられた方法をひたすらやってみましたね。

わたしが理解している範囲でお答えすると、目に見えるような大転換のような体験は始めた頃から今日までないですね。しかし、わたしの結論としては、物事がスムーズに運ぶようになりました。クリーニングした結果、問題が回避されたかどうかは自分にはわかりません。しかし、振り返ると、物事がスムーズに進んだと感じるのです。クリーニングのおかげで、今もわたしのこの平凡な日々を生かさせてもらっているのかもしれません(笑)。

サイン会や講演会などの移動の合間に、待合室や喫茶店などに同席させていただく機会がありました。そこにはヒューレン博士始め、アジアコーディネーターの平良ベリーさんや通訳の大空さんがいらして、英語で会話をされているのですが、わたしが英語が話せないので黙って座っているんです。でも、ヒューレン博士がどこを見るともなく佇んでいる様子を見ると、クリーニングされていることがわかって、平和のような静けさが感じられ、わたしも自然とクリーニングしていました。ヒューレン博士がそんなわたしに気づいて、これから始まるサイン会や講演会の情報リストのようなものを無言で渡してくださり、「クリーニングするということなんだな」とわたしは無言で受け取りました。あの沈黙の時間がとても好きでしたね。

ヒューレン博士が野沢で講演される際に同行させていただいた時、ある古民家に見学に伺う機会がありました。その時、どなたかから家に関して質問されました。わたしは建築の仕事をしているので、その観点でお話をしたのですが、少し経ってからヒューレン博士が「今の話を家が全部聞いていたよ」とおっしゃいました。クラス開催の際も、「君がいると会場が喜ぶんだよ」とおっしゃっていただいたことがあります。その言葉が印象に残り、それ以来わたしにはクリーニングしても見えないものが見えたり、ものの声が聞こえたりはしないけれど、家や建物に話しかけるようになりました。そしてその建築物に「わたしにできることがあったら教えてほしい」と言うようになりました。

それから、クラスで渡されるマニュアルの中で紹介されている土地の浄化に関するクリーニングを、仕事の際に実践するようになりました。クライアントや土地、建物に対してクリーニングするようになった結果、その明確な答えはやはりわたしにはわかりませんが、車の運転中の思いつきや、電車の中でふと聞こえてくることなどをクリーニングしていきました。でも、「わたしがこうクリーニングしたからこうなった」という答え合わせはできません。考える時間があればクリーニングをするというヒューレン博士の姿を見ていると、考えても意味がないということだけははっきりわかりました。

まず、わたしがクリーニングして仕事をすると、お客様に喜んでもらえるからというのが大きいですね。そして、家をリフォームする際は、解体時に問題が起こることが多いです。それで段取りが崩れることがあるのですが、クリーニングしてから仕事に取り掛かると、自分では起こしえない段取りが勝手に起きてくるという印象があります。だからわたしはクリーニングして、思いついたことをするだけ。期待もありません。もし期待が出てきたとしても、クリーニングをします。もちろんクライアントも誰

も、わたしがクリーニングしていることは知りませんが、続けてきた結果、今の自分がいる、これまでできた仕事がある。それだけがわたしにとって重要なことのように感じていますね。

「Just do it(ジャスト・ドゥ・イット)」──この言葉が一番強く覚えています。クラスの中でもよく、ヒューレン博士が言っていました。ただクリーニングしなさい、という意味だったと思います。札幌講演に行った時、空港のチェックインカウンターで平良ベリーさんがチケットの手配をしている時、ヒューレン博士と二人きりになったのですが、そこでもいつもの沈黙が続きました。でもその中でひたすらヒューレン博士が「ただ」クリーニングしているのが強く伝わってきたんです。それで、飛行機に乗って窓から雲海が見えていた時に、「Just do it」の文字が何度も見えてきました。

また、ある東京でのクラスの移動の際、JRの車両の広告が前方から後方まで全てナイキの広告で“Just do it”だった時がありました。その時も、わたしがクリーニングを忘れないように見せてもらっているサインだと受け取りました。未だにクリーニングを忘れてしまうことがあります。でも思い出した時には、あれこれ難しいことは考えず、「Just do it! ただやる!」。昔も今も、思い出したらただやるだけです。

ある時、ヒューレン博士にこんな話をしました。

周利槃特は、お釈迦様のもとで修行している弟子の一人です。朝聞いたことを昼には忘れてしまうので、愚か者だと思われていました。お兄さんは「君には修行が無理だからここを去りなさい」と言い、周利槃特が悲しくて泣いていたらお釈迦様が来てこうおっしゃいました。

「ちりを払い、垢を除かん」

この言葉を繰り返し唱えなさい。

周利槃特はそれを実践し続け、ほうきを持って塵を掃き続けました。そして、ちりが自分の中にあるものだと気づき、悟りに入りました。悟りに入った後も誰かに教えることはせず、彼自身のためにただその言葉を唱え続けていたそうです。

わたしはこれを、ホ・オポノポノのクリーニングツールの一つである「四つの言葉」と同じだと思い、この話をヒューレン博士にしました。ヒューレン博士はこの話を気に入ってくださったようで、クラスの中でわたしにこの話を皆さんにするように言われました。

周利槃特もただ「Just do it(ただ実践する)」をし続けたのだと思います。思慮分別こそがメモリーであり、これはいらないなとクリーニングを実践しながら感じていますね。

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