短時間で分かりやすくクリーニングが完結した体験をお話をしたいと思います。
わたしは当時ある飲食店で働いていて、その店のセキュリティー付きのカギを預かる立場にありました。
ところがある日、その大事なカギを無くしてしまったのです。
探しても見つからず店長に報告すると店の代表から直接セキュリティーシステムを含めたカギの弁償をするように言われました。
元々、低賃金で貯金もなかったので一体どれだけの金額を弁償しなくてはいけないのだろうととても動揺しました。
そこで自宅に戻ってから湧き上がってくる気持ちや感情に対してじっくりクリーニングを始めました。
無くしたことへの後悔、自分を責める気持ち、高額な補償を払わないといけないかもしれないことへの恐れ、いざという時に一切守ってはくれない代表への恨みのような感情、けちくさい会社だなと思う感情、お金がないことの心細さなどをクリーニングしました。
時間にして2時間ぐらいだったかもしれません。
いつの間にか気持ちが切り替わって、いくら金額が高かろうと借金してでも弁償するという気持ちになって、恐れや後悔が消えていました。
カギを探そうという気持ちも完全に消えていました。
その直後の行動です。
いつの間にか身体が動いて前日に買い物したスーパーの袋の中にガサゴソと手を入れていました。
そうするとその中にカギがあったのです。おそらく、その袋は一度は調べていたはずなので不思議と言えば不思議です。
ある程度の重さのあるカギでしたから。
でも、とにかく見つけました。
わたしはクリーニングの不思議な力を感じました。
十分にクリーニングされると、心は凪になり、あれこれ思考をめぐらせなくても必要なことを勝手に身体がやったり言ったりしているのかもしれませんね。
これがゼロからしか、もたらされないインスピレーションの一例なのかもしれません。